ホーム

6.改革の進め方について

ここまで、道州制にとって代わる地方自治制度案を説明してきた。しかし、2015年までに地方分権改革を完成させるという政府の見解が指し示された現在、このように改革案をまとめたとしても、2015年までにいつどの段階で何をやるかというのを指し示しておかなければならないだろう。ということで、私が考える地方自治制度改革を行う際のタイムテーブル案について説明し、地方自治制度案の説明について終わりとしたい。

まず、改革をすすめるに当たり、協議期間・移行準備期間・完全施行の3つの期間区分を設けることにする。簡単に説明すると、協議期間で大体の改革案をまとめ最終的に地方自治法の改正までこぎつけ、移行準備期間で広域連合等の活用による試験的な自治体運営を行い、課題点が発生した場合の制度的調整を行って、2015年4月から本格的に施行に移すといった感じになる。とはいえ、個人的には、今後予測される地方自治体の財政再建団体化を防止するため及びNPOやNGO、コミュニティと連携した行政を世界に先駆けて行うためにも、願うものならすぐにでも早期に行っていただきたい。

改革の流れ

     別表 制度改革の具体的な流れ

(1)協議期間

協議期間では大体の改革案をまとめると述べたが、つまりはこの段階で地方自治制度改革または地方分権改革に決着をつけようということである。これから具体的にどうすすめるか説明したい。

まず国として自治体の一本化を進めていくにあたり、最低限やって頂きたいことについて説明する。始めに、至極当然ではあるが地方制度改革の方向性として自治体の一本化を採用するか審議することである。審議にあたっては、この制度案だけでは理解しかねる方も出てくるので、要請があれば私も審議会に参加して説明を行いたい。ので、気軽に質問等して頂ければと思う。そして自治体の一本化ということで決定した暁には、手始めに大きく3つのことをして頂きたい。

まず第一に、新しい地方公共団体の編成について指揮を執っていくことである。これは「新地方公共団体編成案策定法(案)」というものを作ったので、まずはそちらを参照していただきたい。この「新地方公共団体編成案策定法(案)」を国会にて成立させて、それを元に政令などで具体的事項を補足していきながら、新しい地方公共団体の編成案を策定していくわけである。具体的な展開については、後述する自治体一本化の進め方として説明する。

2番目に、これに合わせた地方自治法を始めとする地方関連法の改正である。今回の提出案において、勝手ながら地方自治法・地方公務員法・地方財政法などに関して改正案を作成したので改めて、ご参照いただきたい。

そして最後に、国と地方の役割配分について確定していただきたいということである。これに関しては各方面で議論が尽くされていると思うし私もこの案の中で少し言及している部分があるのだが、政府としての結論というのを出す時期ではないかと思うのでこの機会に決めていただきたい。また、これも今回少し言及しているが、行政事務においてどこまで自治体で行いどこまで民間にやらせるか、地方行政の関与の役割配分というのもこの機会に決定していただきたいと考えている。参考までに、私の個人的見解として意見を申し上げると、国で行う役割としては外交・防衛・金融管理・法務・国家政策・基本法整備に限定して、それ以外について地方に任せることと定義すればよいのではないかと考えている。省庁としても、外務・総務・法務・防衛・財務の5省にまとめてよいのではないかと考える。

(2)移行準備期間

以上、まずは自治体を一本化すると政策を決定したことを前提とした上で、手始めに取って頂きたい政策について3つ提案をした。これらを行った上で、これから自治体一本化及び事務のNPO化の進め方について3段階に分けて説明する。もちろん、国や自治体はこれらの施策を円滑に進めるため、積極的に助言や勧告、政令などで補正など支援していかなければならない。

<第1段階>

 まずは第一段階について説明する。国の主導の下、都道府県または市区町村のみならず一般市民からも新しい地方公共団体や小規模行政区の枠組について案を出し、地方分権改革推進委員会で若しくは新たな機関を組織して最終的にまとめていく。そのとき新しい自治体の基準は、編成案の受付を開始する前に地方分権改革推進委員会若しくは新たな機関で定めることとする。また、編成案において地域案の変更など地域住民から異議申し立てがあれば、関係各位を集めて公聴会を開き、結果に基づいて修正案を作っていく。

そして新しい自治体の区域案がまとまったら、都道府県において策定した新しい地方公共団体案を議会で決議した段階で区域ごとに属する地方自治体(都道府県を含む)で構成する広域連合(以下、「新自治体設置用広域連合」という)を組織し、都道府県や市区町村から事務権限・責任区分を委譲させて、実質的に運営していくようにする。この段階で、都道府県や市町村の各行政部局をプロジェクトチームに変更して、自治体の補助機関として新自治体設置用広域連合で行う事務の支局的役割を果たすような形にしておきたいところである。しかし、従来の広域連合単位なり市町村単位なりで設置準備委員会を置いて検討を行い、施策など業務ごとに見直しを行ってからプロジェクトチームを編成するのもいいだろう。また部局またはプロジェクトチームごとの経営能力をつけるために、予算編成の権限を部局またはプロジェクトチームごとに委譲し、経過等について1か月ごとに首長や議会に報告又は公表していくようにする。イメージとしては、都道府県や市区町村を官公庁を株式会社と例えて、その首長は代表取締役社長、議会を取締役会、各部局を関連子会社とし、自治体財政は連結財務諸表といった感じでイメージしていただければありがたい。

同様に、市町村においても提出の段階で確定する区に関しても、案としてまとまり次第、市町村の主導で順次組織し活動を開始していくようにする。このとき、区の活動を始めるため、区の住民の全員参加による区会を開いていき、区長など法律で定める区の役員若しくは区で行う事務など区の活動の大まかな方向性などを決めていく。ここで選ばれた区長などは区の規約作りに着手し、場合によっては予算の編成も行うことができるようにする。その際に分からないことがあれば、自治体や弁護士・行政書士に相談していく。他にも、従来の町内会・自治会の活動でやってきたことも継続して行うようにする。また、属する地方公共団体や新自治体設置用広域連合で定めた事務も、段階に応じて行うようにする。

<第2段階>

 そして第2段階について。これは、第1段階を始めて1~2年ぐらいを目途に入ることを予定しているが、議論や準備が進展したら流動的に順次入っていくべきである。最終的に郡の範囲よりも広域的に行った方が望ましいような施策等について、対象となるべき新自治体設置用広域連合及びそれに属する地方公共団体相互で働きかけを行い、これを基にそれらの団体で構成する広域連合(以下、「広域的広域連合」という。)を組織し、都道府県や市区町村から事務権限・責任区分を委譲させて、実質的に運営していくようにする。

同様に、区においても、市街地として連続的に続いている区などで、一つの区では対応しきれないような事務について、その都市行政を担うような区の広域連合(以下、「連合区」という。)を組織し、運営をしていくことができるようにしていく。このとき、市町村は、連続する複数の区に対して、地域の実情や事務形態などに合わせて連合区を作ることができることを提示するなど、連合区の設置について積極的に支援をしていく。またし町村は、連合区の規約で定めた行政事務について、順次連合区に権限を委譲させていくようにしていく。

<第3段階>

 そして最後の第3段階として、実質上移行にあたっての活動開始にあたる施行準備期間に突入する。これは施行1~2年前に置くのが望ましい。ここで移行するにあたっての全体的な調整を行っていくわけである。

普通地方公共団体は、業務全てを広域連合に完全に委任する。その委任された業務を、施行準備期間の間は、さらに都道府県か市町村のプロジェクトチームに委任するという体制をとる。予算も全額市町村単位での新自治体設置用広域連合または広域的広域連合での事務費になり、それに基づいて各プロジェクトチームにて運営するという形式を取る。つまり、普通地方公共団体をほぼ名目上のものにするというわけである。仮に関与するとしても、事業の監視・監査程度にとどめておくべきである。

そして施行の半年前から、新自治体発足のための準備を始める。まず、新年度での運営をよりスムーズに行わせるために、新自治体における首長及び議会議員の選挙を行う。選挙で選ばれた首長及び議員は、施行前年度の2月に新自治体の議会を開き新年度の予算及び具体的な方針について審議する。また、新年度にNPO化するプロジェクトチームを含む民間に委託する事務に関する入札を行っていき、落札したところと順次委託契約を結んでいく。

区については、基本的方針として市町村から権限を委譲していくことに変わりはない。施行準備期間になったら、投票所の設置の権利を区に委譲させ、選挙における投票は区の会議の席にて行うようにする。ここでの投票に関する規定は、公職選挙法の改正及び政令においてまた詳しく定めておく。そして半年前には、政令に基づいて施行時に行う区の権限を全て委譲するようにする。また、都市化した地域などでの連合区の設置も活性化させる。

これで、施行までに準備として行うことは以上となる。そして、自治体の一本化に移行するわけである。

(3)施行期間

形式としては、新年度の4月1日に新自治体設置用広域連合ごとの都道府県の分離・市町村の合併を行い、1都道府県1市の状態にしてから、政令か改正地方自治法施行令により新自治体にするという形を取る。この時点で制度的に普通地方公共団体として行政組織化し、自治体として行う業務も警察など最低限自治体としてすべき行政活動を除き議会運営・事業入札・事業監査程度にとどめて置くようにする。また広域的広域連合及び連合区の格付けも同時に行うことにし、構成団体として国が関与する広域連合は政令の定めにより「道」または「州」に、新しい自治体が関与する連合区は条例により「市」又は「町」にする。その上で構成団体の要請に応じて代行したい権限がある場合に、国又は普通地方公共団体は広域連合及び連合区に高度な行政責任を有する権限(例えば外交や年金など)を委譲することができるようにする。

さらにここで大きく変わるのが、現行の公務員である。完全施行になるこの段階で、新自治体又は広域連合の職員(今までの地方公務員と変わらず)・NPOの職員・行政アドバイザー又は行政書士の3つに分ける。新自治体又は広域連合の職員とNPOの職員は、それぞれ今までの地方自治体でやってきたプロジェクトチームから、新しい自治体の運営に関するものについてが新自治体又は広域連合の職員に、その他についてがNPOになる。新自治体又は広域連合の職員は、今までの広域連合の職員がそのまま引き継ぐ形になる。また、これに基づくNPOの設置について一定の認可制度の緩和が必要であり、従来の普通地方公共団体から分業化されたものであればという条件のもとで認可をしていくようにしていく。そして、行政アドバイザー又は行政書士はあくまでも希望制ではあるが、行政書士になる条件の一つである勤続20年以上の職員を中心に移行させていき、一つの区に一人の行政アドバイザーが存在するようにしていきたい。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。