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4.区について ―地域自治区の小規模地域政府化―

(1)行政区の概要

「都道府県と市区町村の一本化」で「地方自治法に定められている地域自治区の制度をより発展させて、行政区単位で簡易な部分の行政を進める」ということと述べたが、3ではそれについて詳しく説明していく。

まずは「wikipedia」で「区(行政区画)」を検索すると、その他の「行政区」の項にこのような説明があるのでこれをご紹介したい。

『行政区。一の市区町村を任意の区画で分割して設置される実務上の行政区画で、必ずしも大字、字、町、丁目単位とは限らない。「○○区」「○○自治区」「○○自治 会」「○○町会」などと称する。また長は「区長」「会長」などと称し、市区町村によっては特別職非常勤地方公務員として「地区連絡員」などの名目で任命さ れ、連絡事務や広報配布などを担当する。特に沖縄県では独自の財源や財産を持ち強固な存在であることが特徴的である。』

ここに書いてある一の市区町村を任意の区画で分割して設置される実務上の行政区画や地方自治法で定義されている地縁による団体などを単位として、まずは現行の市区町村において地域自治区を設置するように義務づけし、ここに処理に関してあまり時間がかからないような簡単な事務を行うことができないかということを考えている。具体的に言えば、地域自治区を基本にしてと地縁による団体に関する規定を混ぜた感じで地方自治法を変更し、独自の予算や取り決めで運営する包括的な末端補完機構としての小規模な地域政府を作るというわけである。ここでいう事務については、町内会活動や地縁による団体の活動でやっているものに加えて、地域の消防・警察・防犯活動住民票等の受付窓口行政問題の相談窓口郵政事業の委託地域の施設の管理など、元々政府や地方公共団体でやってきたものの委託事務といったものである。言うなれば、民生委員とか児童委員、行政相談員、行政書士、果ては役所で分掌ができるような業務などの仕事も区で処理できることはもちろん、その他の特殊な行政業務も区の住民の意見によって選択して行うことができるということができるようにするわけである。

(2)区の基本的組織

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図3 区の基本的組織図

まずは、区の基本的な組織について説明する。区はその中に住む住民によって構成する「区会」において多数の賛成を得ることで区の意思を決定し、ここで決められたことを元に運営をしていく。区会は原則として地域自治区を定めた地方自治法の規定と区の規約に基づいて区内の住民の全員参加とし(手続によっては委任状による参加も可能とする)、また参政権を高め開票作業の大幅な効率化を図るため、主に公職選挙の日には必ず行うものとする。また、区会では地域自治区の事務所が所掌する事務に関する事項・地方公共団体が処理する区の区域に係る事務に関する事項・地方公共団体の事務処理に当たつての区の区域内に住所を有する者との連携の強化に関する事項について地方公共団体の長やその他の地方公共団体の機関により諮問されたもの又は必要と認めるものについて、審議し、地方公共団体の長その他の地方公共団体の機関に意見を述べることができる。区の規約については後で説明するが、そこで区について運営や責任を取り仕切る者として「区長」、区長をサポートする役割としてまた区会を取りしきる役割として「副区長」を置く。区長は、自身の事務をサポートするために副区長とは別に補助員を設け、区長・副区長と合わせて「区執行部」とする。「区執行部」では区会での提案事項の整理や住民からの苦情相談・処理など区における行政実務を主に行う、いわば区の役所的な役割を果たす。

その他に区の外局的な役割を果たすものとして、区に「監査委員」と「保安員」、「行政アドバイザー」を置くように義務付ける。「監査委員」は普通地方公共団体の監査委員と同じく、区の会計(場合によっては業務について)の監査を行う。「保安員」は言うなれば消防団員のことではあるのだが、殺人事件など重大な事件がおきた場合の警察の捜査支援や区内巡回、交通安全の確保など区内の警察業務も兼ねて行うことができるようにする。そして「行政アドバイザー」は、区の行政実務に関して区執行部だけ行うことは不安も懸念されるため、行政実務に関して相談を行う専門家を置き補佐に当てるため設置する。この職には、この地方自治制度改革で職を失う地方公務員や地方支分部局の国家公務員が多く出ることが予想されるため、そういう人を第2の活躍の場として充てていければと考えている(できることなら、行政書士相当の知識が必要な仕事と考えるので、行政書士になる資格を持つような人であれば尚良いのだが、新たな資格として合格した者がなれるというのもよいのではと考えている)。具体的な仕事としては、区の行政実務に関する助言や各種行政情報(専門的な業務を行っている業者やNPOについての情報)の提供、それに関連して専門的な業務を行っている業者やNPOと区との業務委託契約に関する仲介、もしくは行政実務の一部代行、住民レベルで区執行部で取り合ってくれない行政問題や法律問題、行政訴訟などに関する相談等々を考えている。言うなれば、「区の何でも屋、相談屋」といったところだろう。

そして、以上ここまで挙げた区の役職について、条例などによって無報酬ということにすることができる。できる限り区の役職に就いた方は無報酬でやってもらえればよいのだが。また、区の役職に就いていても、公職選挙法で定められている役職(広域連合の首長・議員も含む)に兼職として就くことができるようにも考えている。しかし、兼職に関してある程度の規制が必要ではないかとも思うので、この辺りは検討が必要であろう。

(4)区の配置分合・廃止・新設

次に、区の廃止や境界変更、新設についてである。これについても、原則として、区会の議決によって決め、所属する地方自治体に報告してその議会の承認を受けて正式に変更することになる。しかしそれだけでは話を進める際の具体性として足りないため、普通地方公共団体と同じく地方自治法又は施行令に規定する必要がある。また、区の廃止や境界変更と区の分離新設とは若干手続が異なってくるので、別々に説明する。

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図4 区の配置分合

まずは区の廃止や境界変更について説明する。発議としては基本的には住民の不足や経営難、意見の対立などの理由で区の住民から提案することが前提にはなるが、区の廃止に関しては、区の設置基準が一つの条件となる(これは区の新設にも言えるところになるが)。この設置基準は地方自治法である程度の規定をすべきとは考えるが、有識者を交えての議論の必要があると考える。個人的には、当面学区単位で構成する・人口1000人規模で分けるのが望ましいのではないかと考えている。そしてこの設置基準に満たなかったりした場合に、所属する地方公共団体は基準に満たしていない区に対して勧告することができる。この勧告や住民からの提案で廃止案又は境界変更案を出すことになる。廃止案又は境界変更案が提出された区は、区会を開いてまずはするかどうか区の意思・方向性及び統合又は境界変更の対象となる隣接する区について議決を採る。そこで可決となった場合、その区は所属する地方公共団体と併合又は境界変更の対象となる隣接する区にその旨を報告し、その報告を受けて所属する地方公共団体を主宰とする併合又は境界変更協議会を開き、廃止及び併合又は境界変更を行う日や境界変更の区域、その他区に関する事項についての協議を行い、具体的な内容について詰めていく。協議会で大体の内容がまとまったら、当事者となる区の区会の決議と所属する地方公共団体の議会の承認をとり、期日になったときに区の廃止・併合又は境界変更が成立する。

そして区の分離新設について説明する。発議としては前述の区の設置基準が区の一定地域で満たしたり、地域的事情の問題で意見が分かれているなどの理由による場合に、区の住民からの提案若しくは所属する地方公共団体から分離が可能であることの勧告により発議となる。ここで発議を元に区会を開き、まずはするかどうか区の意思・方向性について議決を採る。そこで可決となった場合は、区の行政アドバイザーが主宰となって区の新設協議会を設立し、分離新設する区の区長・副区長・保安員・行政アドバイザーの選出や新設時の期日・区域・規約・財産分与など協議を行い、具体的な内容について詰めていく。協議会で大体の内容がまとまったら、改めて区会にかけ、議決を経て所属する地方公共団体に報告しさらにその議会の承認を得た上で、期日になり次第区の分離新設が成立する。

(5)区の規約・規則(区で決める法律)

続いて、区の「規約」についてである。規約というのは、いわば区の憲法のようなものである。また、区の条例にあたるものとして規則を定めることができる。順序としては区の規則・区会の議決・規約・地域の慣習法・所属する地方公共団体の規則・条例・法律・憲法という感じになるだろう。原則として、区は規約と議会の議決に基づいて行政活動を行わなくてはならないこととする。そして規約の変更をしたい場合には、区会の議決が必要である。ただし、事例によっては規約により区会の議決を拘束することができることにしておくようにする。規約には、名称・区域・主たる事務所の所在地・代表者及び執行役員の組織及び選任に関する事項・区会に関する事項・区の執行機関に関する事項・資産に関する事項・区で処理する事務を必ず定めていなければならない。また、規約について所属する地方公共団体に報告する必要があり、変更があった場合は必ず所属する地方公共団体に報告しなければならないこととする。

(6)区の財政について

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図5 税金の基本的な流れについて

続いて、区の財政について説明する。区は、原則として住民一人あたりから一定額の区会費を徴収して、これを区の運営に充てるものとする。区会費の最低額も法律に定める必要があるだろう。しかし、区は上記の定義でいけば、各世帯一戸建ての集落もあれば、マンションやアパートの団地、各種集合住宅、各種法人団体が密集した地域もあてられることになる。当然ながら団地やビルの管理団体が区に移行することも考えられる。そのため区によって人口に偏りが出てくる訳であり、それに応じて区会費の額にも区ごとに開きが出てくる。だからといって、収入源の少ない集落の会費を高く設定したり、人口の多い区の会費を安くしたりすれば、人口の多い区により密集することになってしまう。そこで、上級機関によって使用すべき区会費を調整したり、区で仕事を作りその収益によって区会費としたり、事業による補助金制度や宝くじ制度を設けるなどといった対策を講じる必要がある。

<上級機関による区会費の調整>

 まずは上級機関による区会費の調整についてであるが、これはまず毎年時期を見て地方公共団体が区会費の見込み額を算定し、それと各区ごとに行っている事業及び行いたい事業についてそのかかる費用などを国に報告する。その報告に基づいて、国は区会費の平均納入額と平均支出額を割り出し、区としての支出額より平均納入額が多いところは国で区会費を徴収し、徴収した分を行いたい事業があるが区会費の不足によってできないような集落的な区に分配して調整を行うというものである。ここで調整を担当するところを国と定めたが、これは郡ごとに税収格差が生じているわけであり地方公共団体内での調整では希望に添えないことが多く出てくる可能性があるためである。また、これについて処理を行うな機関を新たに設ける必要があるだろうし、下に説明する区での事務に加えることによる収入の増加によって区の事情も毎年ごとに変化する場合もあるので、暫定的な制度とすべきかどうかの検討も必要になるだろう。

<区で仕事を見つけ収益を区会費に充てる>

 続いて、区で仕事を見つけてその収益を区会費に充てることについて説明する。具体的には、所属する地方公共団体から施設管理などの委託を受けその委託料による収入を区会費に当てる、区で産直施設や商店・ドライブインなどを設け運営する、前と類似するが区の住民にある得意分野を生かしてそれの儲けを元に運営する(例えば区で主宰するYOSAKOIのチームや伝統芸能の団体がある場合は、イベントへの出演料というのいうのもあるだろう。また子供に勉強を教えるのがうまいという人がいたり日曜大工が得意だ、職人的技術がある、名の知れたDJだとか何かの専門家だということで、それを利用して区として売り込んでいく)、特殊な条件が必要になるが公営ギャンブルに参画することで収入を得る(例えば区で厩舎を開設して競馬のレースに出走させたり、競輪選手や競艇選手を住まわせて練習環境を整わせたりする代わりに活躍してもらったり、パチンコ店を独自で開いたり)など、多様に挙げることができるだろう。また、ある区と近隣の区の行政アドバイザーを介して「うちの区では、こういうことをやっている。他の区ではどんなことができるのだろうか?うちのような事業ができないのであれば、代わってやることもできるが。」というように情報交換していき、自分の所属する区では補うことができないような行政実務に対して手伝ってもらったり、またそのお礼に所属する区の得意分野である行政実務を代わって行うことができるようにして、区の実務レベルでの交流をしていくべきだろう。これによって、区からの産業振興がより可能になり、地域活性化に大きく貢献できるものと予測している。しかし、過度になるべきではないとも思うため、法律による対象とする区についてなどのある程度の規制や、区会費の調整時にある程度の収益が出た場合は調整費として徴収するといった対策も講じる必要はあると考える。

<事業に対する補助金制度>

 そして事業に対する補助金制度というのは、対象が区というだけで従来の補助金制度とはそう変わらないが、上記2つの策が軌道が乗るような場合は、段階的に廃止していくように検討すべきと考える。宝くじ制度については、収益金の目的を総務大臣に申請することで宝くじの発売元の一つになることができるようにしたり、指定銀行をみずほ以外に身近な金融機関からも発行できるようにしたりするなど、区にも宝くじが発行できるよう政策を講じていかなければならないと考える。

(7)区の広域連携・行政の相互サポート

区の広域連合

図6 区の広域連合

最後に、区の広域連携について説明したい。普通地方公共団体を一つにすることや小さく区を分けて自治を行うことによって、従来の市町村規模でなければできない事務や都市型に対応した事務というのができなくなる可能性が出てくる。そこで、その代替手段及び地域事情に対応した柔軟な自治を行うことのできる制度として、前述の区レベルでの業務補完の交流とは別に、区レベルでも広域連合的な連携ができる制度を設けることにする。

この区の広域連合の規定に関して、基本的には広域連合の制度に準じていくものとする。また、普通地方公共団体の広域連合と同様、ある要件に達すれば「市」や「町」という格をつけることにし、郡で行う業務についても、格に応じて委譲できるようにした(とはいえ、基本的には区が郡の業務について「うちでやりたい」と言ったら、条例で条件を定めて業務を委譲できるようにするが)。その基準ですが、一応こう考えている。

・町…中心施設から半径3km以内に5000人の人口が見込める地域

・市…中心施設から半径6km以内に100000人以上の人口が見込める地域で、
かつ町又はそれに相当する地区が10以上密集した地域

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